


外壁塗装というと、「色をきれいにする」「見た目を整える」といったイメージを持たれる方が多いかもしれません。しかし実は、外壁塗装の大きな目的の一つに“防水効果を高めること”があるのをご存知でしょうか。建物を長く安心して使うためには、雨水の浸入をいかに防ぐかがとても重要です。外壁のひび割れや塗膜の劣化をそのまま放置すると、住まいに大きなダメージを与える可能性があります。今回は、外壁塗装の防水効果について分かりやすく解説していきます。
外壁に塗られている塗膜には、小さなひび割れからの雨水の侵入を防ぐ役割があります。特に新しい塗膜は水を弾き、表面をつるっとした状態に保つため、雨が降っても外壁に水分がしみ込みにくくなります。これが“撥水性(はっすいせい)”と呼ばれる防水性能で、建物の内部を水の影響から守る大切な機能なのです。
外壁材によっては、元々吸水性の高いものもあります。たとえば窯業系サイディングやモルタル壁は、水分を吸う性質があるため、塗膜が劣化すると一気に吸い込みが進んでしまいます。これを防ぐために、塗装による保護が必ず必要になるのです。
塗膜の防水性が劣化すると、建物にはさまざまな不具合が生じます。
・外壁が黒ずむ、汚れがつきやすくなる
・外壁材が水を吸って膨張し、反りや割れが起こる
・雨水が壁内部に入り込み、断熱材や木材を腐食させる
・室内に雨漏りとして現れる
・カビやコケが発生して美観が損なわれる
特に雨漏りは建物の寿命を大きく縮める原因となるため、早めの塗り替えで防ぐことが大切です。
近年は塗料の性能も進化しており、単なる色付けだけでなく、防水性を高める機能が充実しています。
代表的なものには以下があります。
・シリコン塗料:コスパが良く、一般的な耐候性・防水性
・フッ素塗料:高耐久で防水性も非常に高い
・無機塗料:汚れに強く、水を弾く性能も長持ち
・弾性塗料:ひび割れに強く、水の侵入を防ぎやすい
建物の状態や素材に合わせて、最適な塗料を選ぶことがポイントです。
塗装は一度塗れば終わりではなく、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。特に以下の症状が出たら、塗膜の防水性が落ちているサインです。
・外壁を手で触ると白い粉がつく(チョーキング)
・雨が降ると外壁が濃い色に変わる(吸水している)
・ひび割れや剥がれがある
・コケやカビが目立つ
こうした症状が見られたら、早めに専門業者へ相談しましょう。早期に対処すれば、補修費用も抑えられ、建物の寿命も大幅に伸ばすことができます。
外壁塗装は見た目を整えるだけでなく、雨水から家を守る大事な“防水工事”でもあります。建物の健康を守るためにも、定期的な点検と適切なタイミングでの塗り替えを検討してみてくださいね。
